博士課程在籍中のこと①

前回は,博士課程進学の経緯について,お話しましたが,今回はそもそも博士課程って何をするところなのか,そして私が何をしてきたのか,さらには,今思うと何をしておけばよかったのか,についてお話したいと思います.

博士課程では自分が望めば,いろんな経験を積めるチャンスがあると思います.金銭的な心配がないことはないですが,最近では大学も博士課程の学生の支援を手厚くしており,また,学生に国際経験を積んでもらおうということで,海外留学費を援助したりなど,環境はよくなってきていると思います.

また,研究に関しても自分の裁量が大きくなり,自分の興味や好奇心で研究を進めていくのが理想な形だと思っています.修士課程までは教員に与えられた研究テーマを自立してできるようになることを目指していますが,博士課程では研究テーマの設定も自分でやればいいと思います.せっかく自分の好きなことを学べる期間に,オペレーションをするのはもったいないです.クリエーションをしましょう.

博士課程まで進む人の中には,自分の腕一本で生計を立てていこうと思う人もいるかと思いますが,将来の自分のキャリアに必要なことをこの時期に磨いていくべきだと思います.自分の研究に徹底的に取り組んでその分野のエキスパートになることも重要ではありますが,他の分野でも使えるようなベースの技術やスキルを身に着けるもの重要かなと思います.なぜなら,将来自分の専門分野でアカデミックなポストを得られれば,いいかもしれませんが,最近では外部環境の変化は非常に激しいです.ある特定の分野でエキスパートになっていたとしても,例えばその分野でパラダイムシフトが起きれば,それまで自分が築いてきた技術が価値を持たなくなることがあり得ます.そうなったときに,路頭に迷わないためにも,狭く深く取り組むべき部分と,広い視野で取り組む課題を見つけて取り組むといいと思います.

例えば,最近では,分野を問わずITの活用が叫ばれていますよね.そうすると,プログラミングの技術を身に着けていれば,結構強いと思います.実験データの処理一つとっても,エクセルでは扱えるデータ数や解析は限定されますが,自分でサクッとプログラムを作れれば,作業効率も上がります.それに,それが慣れてくれば,自身の研究にプログラムを適用することで新たな付加価値を見いだせたりします.何がいいたいかというと,とにかく使えるスキルは多い方がいいにこしたことはないということです.

話はそれますが,ひらめきってありますよね.あれは,何もないところからは生まれないと聞いたことがあります.本当の天才なら別かもしれませんが,ひらめきって自分が持っている知識や経験の掛け合わせでしか生まれないんです.私の持論ですが,研究者だからと言って,一つのことにばかり集中しすぎるべきではないと思うんです.視野も狭くなってしまって,自己満足な研究になってしまったりもするので.むしろ広い視野であれもこれも手を出していれば,あれとこれとが結びついて,画期的な技術が生まれたりもすると思うんです.

それにあまりに一つのことばかりに集中しすぎると,息がつまりそうになるので.(こんな性格だからなかなか基礎研究ができていないのが,悩みでもあるのですが.)とにかく,研究はオペレーションではないので,時間を費やしたからすごい成果が出るというものでもないと思います.ふとしたときに,あれとこれが結びついて,これだっと思う瞬間がくるように,アンテナはたくさん張っておくべきかと.大変かもしれませんが,いくつかの課題を設定して,同時並行で進めていくのがパフォーマンスがいいように思います.

ちょっと好き勝手書いていたら体験談というより,説教染みた内容になってしまいましたので,今回はこの辺でやめておきます. 次回は,もう少し博士課程在籍中の体験の紹介やお金の悩みについて書きたいと思います.