オズボーンのチェックリスト

ネットのニュースで,ねじ不足でラグビーW杯関連の施設や東京オリンピック関連の施設の工事が遅れているとの記事がありました.表題にはねじ不足とあったのですが,内容を読んでみると,正確にはボルト不足ですね.単体でみれば大して重要でないように見えても,工期を遅らせるくらいのインパクトがあるということです.あなどれないですね.

ボルト不足の原因の一つにやはり製造業の人手不足があるようです.特に,熟練者の数が激減していて,ものづくりが継承されずに熟練者が退職していくようです.日本のものづくりの死活問題だと思います.熟練者がいるうちにいかにノウハウを引き継ぐ,もしくはデジタル化するかが鍵です.弊社のソフトウェアBESTOWS Process Plannningは,今いる熟練者の加工ノウハウをデジタル化するような仕組みを入れており,なんとか熟練者がいるうちに手を打ってほしいとの思いでソフトウェアを提供しています.

さて,話は変わりますが,最近Kindle電子書籍で読んだ本の中に,新しいアイデア創出の方法として,オズボーンのチェックリスト法が紹介されていて,よく使われる方法だと思いますが,改めて使えるなと思ったので,紹介しておきます. このチェックリスト法では,既存の製品に対して,以下の視点で考えると新しいアイデアが生まれるというものです.

①他に使い道は?

②応用できないか?

③修正したら?

④拡大したら?

⑤縮小したら?

⑥代用したら?

⑦アレンジし直したら?

⑧逆にしたら?

⑨組み合わせたら?

ビジネスは絶えずお客様の満足向上のために,新しい付加価値を提供し続けていかないといけないですが,既存のものに対して視点を変えるだけで,新しいアイデアが生まれるわけです.

弊社のソフトウェアで考えると,加工用の工具経路生成の話であれば,別にNC工作機械だけでなくても,産業用ロボットによる加工にも適用できますね(①).また,機械部品だけに限らず,医療用などへの展開もありかと思います(②,⑤).機械部品の加工に限らず,建築設計の模型の作成なんかを削り出しですることもできますね(④).3次元CADモデルがないと基本的には工具経路が出せませんが,そのCADモデルは3次元スキャンで作ることで,CADソフトウェアがなくとも作りたいものを作れますね(⑨).また,今はエンドミル加工で除去加工用の工具経路を算出していますが,3Dプリンタ用の積層経路を作成することも可能かもしれません(②).

オズボーンのチェックリストでほんの10分程度でいろんなアイデアが生まれました.このチェックリストやはり結構使えますね.